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続く今回のテーマは「大会までの1~2週間をどう過ごすか」。さらにこの日はNRC最後のセッションでしたので「当日どう過ごすか」についてお話がありました。
Tips.11「練習量を減らす」
大会2週間前になると、トレーニングの量を減らしていきます。距離やペースを含む全体的なボリュームを減らします。自分の体感で疲れがたまらないようなボリュームのトレーニング量が1番。今まで練習をしてきた中で培った自分の直感が大切です!最終的にはレース当日に今持っている力が100%出せることが大事なので、1週間前からはしっかりと睡眠を取ることも忘れずに。みなさんは忙しい生活をしているかと思いますが、夜遅く帰って『ちょっと走ろうかな』と思うぐらいならその分1時間早く寝ましょう!
Tips.12「カーボローディング」
3日前からするべきことは、❝カーボローディング❞。
カーボローディングは自分でアレンジすることが大切です。ただ炭水化物をひたすら食べるのではなく、体の様子を見つつエネルギーが溜まっているなというイメージをしながらお食事をしてくださいね。 例えば2週間前からパスタや甘いもの、パンなどを食べていると太ってしまいます。そうすると、体が重くて走れなくなってしまうので、3日前までの期間、女性のみなさんはたんぱく質をしっかりと摂ること。そしてビタミンCと鉄分で、血液をしっかりと整えておくことが大切です。女性の場合、普通に生活をしていても貧血になりやすい状態なのです。自覚がなくても体が貧血状態になると、同じペースで同じ距離を走っていても息が上がってしまいます。なぜかというと、鉄分は酸素を全身に運んでくれるので当然、鉄分がないと酸素を運べないですよね。血液中の鉄の濃度が薄いと、一生懸命心臓が『もっと酸素を送らないと』と動くので心拍数が高くなります。 『最近息あがるな』なんて方は、今から鉄分のサプリメントなど飲んで鉄分を補給しておくといいでしょう!そして、3日前になったらなるべく炭水化物を摂ること。人によってはお腹がもたれたり苦手な方もいると思いますが、そういう方は炭水化物のみならず食事をしっかり摂ること。カーボローディングにわくわくしている方もいると思いますが、胃の負担になるものは控えましょう!さらに大事なのは、3日間食事をしっかり摂っていく中で、お水をしっかりと飲むことです!筋肉の水分や体の抜けてる水分をしっかり補っておくことが大事なんです。
Tips.13「臨機応変にコーディネート」

フルマラソンを走るにあたり、日々のトレーニングに加え、当日のコーディネートも大変重要なポイントになってきます。名古屋ウィメンズマラソンのスタートは朝ですが、フィニッシュする頃はお昼。日中晴れていても、朝は寒かったりするのでアームウォーマーなどでの調節が大事。ジャケットは雨が降ったり風が強かったり、時間のかかる人はペースもゆっくりになるので、体を冷やさないように上に薄いジャケットを着るといいでしょう。途中邪魔になったら肩や腰に巻いたり、ウエストポーチに入れるのもありですね。小物類で欠かせないのは、日差しが強い場合のキャップ。さらに、日差しが強くなってくると目から疲労がくるのでサングラスも欠かせません! 途中で天候が変わってもいいような準備を忘れずに!
Tips.14「悪い流れは断ち切る」
しっかりと練習をしてきているので、当日走っている時に挫折しそうになったときは、1回落ち着いて『大丈夫』と思い直すこと。もし足が痛くなってしまったのであれば、1回止まってストレッチをしたり、もし具合が悪くなったら次の給水所まで歩いてお水を飲んで様子を見たり自分の体と相談しながら走りましょう。目標タイムやペースがすごく落ちてしまったときは、無理やり走っているより1回止まって立てなおした方がよいレースになる場合もあります。悪い流れは断ち切ることが大切です!1回立ち止まったらそれまでのレースを全部忘れ、また新たな気持ちで走り始めましょう!疲労感というのも気持ちからきてるものが多いので、1回断ち切ること。
★取材メモ★
- カーボローディング
マラソンを走るときのエネルギー源となるグリコーゲンを、より多く筋肉や肝臓に蓄えることを目的とした食事法。最近は、レースの3日前からごはんやパスタなどの糖質中心の食事をとる方法が主流となっています。仕上げとなるレース当日の朝食は、餅入りうどんやおにぎりなどの穀類主体で消化のよいものに加え、グリコーゲン蓄積に効率よく働くクエン酸を含んだオレンジジュースを摂るとよいと言われています。
「ランクリニック」の内容からも、本番が近いことを再認識させられます。大会までの期間はトレーニングのコントロールももちろん、マインドコントロールも欠かせませんね。みなさん、共に頑張りましょう!